「ところでさ、鈴奈はピアノ、

どこで習ってるの?」


「どこって・・・家だよ?」


「家?親が先生なの?」


「ううん。ママがピアニストなの。

パパも楽団の指揮者で・・・」



「音楽一家なんだね」


「うん。目の見えない私に、

ステキな親をくれた神様に、

感謝してるんだ」



「幸せそうだね」



「うん。すっごく幸せ」


「鈴奈のピアノ、一度、

聞いてみたいな」


「いつでもうちに聞きに来て。

お昼の方がありがたいけど」


「休みが取れたら、必ず

聞きに行くよ」



詩音と、

話す度に仲良くなっていくにつれて、

・・・

私に、恋心が芽生えていった・・・