「…今、何時?」

「もう、0時になろうとしてる。

迎えに行くから、場所を教えて」


「・・・海に」


かけてきたのは、詩音じゃなかった。

涙が溢れ出した。


「今すぐ行くから」

聖治はそれだけ言うと、

携帯を切った。


・・・

それから何分かして、聖治が来た。


「何で、泣いてるんだよ?」

聖治は私を抱きしめた。


「…苦しいよ」

それを言うのが、精一杯だった。