夢への52の階段


それから1週間たった、ある放課の出来事。

私は、昼放課トイレに行った。

おなかが痛かったので、急いで個室に入る。

おなかをさすっても、なかなか痛みはとれない。

「生理痛かな・・・」

今までにない、激痛。

そんなことにもかかわらず、いじめはどんどんエスカレートするばかり。

「もう、嫌だな・・・」

そう思ったとき。


コンコン。ドアがノックされた。

「・・・はぁい・・・。」

返事をするが、何も聞こえない。

いたずら・・・かな??こんなときに限って・・・!


ガコンッ!バンッ!ギギギ・・・

・・・??ドアに、何か押し付けるような音。

これは・・・!急いでスカートをはき、ドアを押してみる。

開かない。閉じ込められたんだ。ドアから出られないなら・・・

上からしかないか・・・そう思い、トイレットペーパーホルダーに、

足をかけたそのとき・・・




「いっくよー♪」

月香の声。

「オッケー!思いっきりだしちゃって!」

この声は、結友だ。上を見ると・・・

「・・・!!」

プシューーーッ!っと音を立て、ホースの先から水が出る。

だんだん水の量が多くなり、ザーーッというようになった。

制服は、びしょぬれ。

スカートの先から、ポタッポタッと水がたれる。

天音たちは大声で笑いながら逃げていった。

・・・ひどい。どうして?私は、何をしたっていうの?

あけて!誰か!!!

コンコン。またノックが。私は、返事ができなかった。

また、天音たちかな・・・?

「だれか、入ってるの?閉じ込められてるじゃない!待ってね、今すぐあけてあげる。」

七瀬・・・!?

ギィ。ドアを開けると、心配そうに見つめる、七瀬がいた。

ポタッ ポタッ

私のスカートからは、まだ水がたれている。

「大丈夫!?一緒に保健室に行って、温かい飲み物もらお。」

七瀬の優しさが胸にしみて、涙になった。

私は、その場にしゃがみこみ、思いっきりないた。

そんな私を、七瀬は優しく、抱きしめてくれた。

それから保健室に行き、教室にもどろうとすると。

「1限、サボろ。」

あの、優等生の七瀬が・・・?

無言でうなずき、何もしゃべらないまま屋上に向かった。