千歳空港に向かって、空を飛んでいること

約3時間。

北海道の空港が見えてきた。

(なつかしいな・・・

この空、この街、この風景。)

すべて懐かしく感じた。

(宙乃は・・・

本当に、北海道の空の上へ・・・?)

ぼ―っとしたまま、私は飛行機から降りた。

そのまま空港の中へ入ると、お母さんと

妹たちがいた。

「知菜ちゃん!!

お帰りなさい!りく達、

知菜ちゃんが帰ってくるの、

楽しみにしていたのよ!」

わざとらしく、明るく振舞うお母さんの

笑顔がいたいたしい。

「無理して、明るく振舞わなくて

いいって・・・。」

「知菜ちゃん・・・

そうよね、お母さんも、知菜ちゃんが

こんな形で北海道に帰ってくること・・・

悲しいわ・・・」

「ねーたん!

宙乃おねえちゃん、こなかった!!

お家でねてるの!!!

りくね、起こしたけどおきなかったの!」

「りく・・・」

「りく、あのね・・・」

私が、宙乃の“死”を説明しようとすると、

「りく、宙乃おねえちゃんはね、

夢を見てるの。

だから、もうおきないの。」

「・・?」