夢への52の階段

私は、そのとき夢を見ていた。

寛樹が、川で遊んでいるところ。

でも、寛樹1人しかいない。

(あ・・・!あれって!!)

遊んでいるのではなく、川の向こうまで行こうとしているのだ。

(三途の・・・川?)

「だめっ!寛樹!だめぇーーーーー!!」

私は気づいたら叫んでいた。

『え?』

か細い、弘樹の声がする。

「寛樹!しかりして!その川渡ったら・・・

寛樹、死んじゃうんだよっ!?寛樹はまだ死なない!

神様が言ってるもん!!

だから・・・っ戻ってきて!!」

『中原・・・でも、俺もう半分まで来ちゃったんだよ・・?

もう、もどれねぇよ。』

「寛樹・・・!」

(死んじゃいやっ!)

『おっおい!?中原!?』

私は川に入って、寛樹のところまで来ていた。

「寛樹は、まだ死なないの!!

神様がくれたチャンスだよ!!!!

私が来なかったら、寛樹はこの川を渡って、死んじゃってたんだよ!?

神様が、もっと生きてていいよって、チャンスくれたんだよ!

寛樹!!しっかりして!」