夢への52の階段

私はその日、1限目で早退した。

頭の中は寛樹のことでいっぱいだった。

授業の内容がなんにも頭に入らない。

(寛樹・・・会いたいよぉ・・・)

お見舞いでも、行ってみよっかな~なんて。

彼女でもあるまいし、行くと気まずいかな・・・

(でも・・・一目でいいから寛樹を見たい!)

そう思った私は、自分の家とは逆方向の電車に乗り、

寛樹が入院している電車に乗った。

(あんなに元気だった寛樹が、補助人工心臓をつけなくちゃいけないなんて・・・)

また、無性に腹が立った。

天音達への腹立たしさとは少し違う、切ない、腹立たしさだった。