夢への52の階段

教室に戻ると、天音達の姿はなかった。

帰りの準備をしようと、机の引き出しから教科書などを

取り出すと。

≪知菜へ≫
お前バカ?
寛樹が保健室までおんぶして運んでくれたからって、調子に乗ってんの?
ってかさ、絶対寛樹もお前みたいなブスなんて好きじゃないし。
勘違いしてんじゃねーよ!
   ≪天音、月香、結友≫

もう!言われなくてもわかってるっつーの!

こんなブスな私がすかれるわけないって。

でも、こんなこと他人に言われると、腹が立つ。

その腹立たしさが涙になった。

涙が教科書にしみる。

(よかった。もうみんな帰ってて。涙見られるところだった~)

内心ホッとしていながらも、何故か涙はとまらない。

翔・・・助けてよ・・・