夢への52の階段

時計は、もう6時をまわっていた。

私はまだ、さっきの翔のことを考えている。

チッチッチッチッチ・・・

時計の音が、教室に響く。

ガラッ

入ってきたのは、寛樹だった。

バスケの服を着ている。どうやら、部活が終わったらしい。

「まだいたのか?早く出ないと鍵しめちゃうからな」

寛樹は笑って、私を手招きした。

急いで教室を出る。

「今日は一緒に帰るか。」

「うん。」

帰り道、私と寛樹は葵さんのことを話した。

いろいろと、天音達の聞きたいような、聞きたくないような事まで。


私たちはたくさん話をして別れ、家に帰った。

私はそのとき、人生最大の悲劇を次の朝に

知らされることを、知る由もなかった・・・