「ああ。教えてやるよ・・。」
いつもの明るい松川・・・じゃなくて寛樹は、おとなしく、少し大人のように見えた。

「何が、あったの?」

「俺の彼女だったんだ。宮島。でも、何も相談してくんなくて。

あいつらがいじめられて死んだってのは、自殺してから1週間くらいたったときだったんだよ。

そうとうひどかったみたいでな。

俺が久しぶりに自分のアパートのポスト開けたら・・・宮島からの手紙が入ってて。

今までのことが全部かかれてたんだ。

≪dear寛樹≫
私、もう寛樹とは会えない。遠いところに、蘭と行くの。

でも、ずっと寛樹のこと見てるからね。

    大好きだよ     ≪from葵≫

「日記に書いてあったんだ。伊藤たちがやってきたこと・・・」

〔9月8日〕
今日は、蘭と屋上によびだされて自殺の練習をさせられた。

階段の上から3段目からとびおりろといわれた。

しなかったら松川に何かするといったので、やるしかなかった。

蘭は、もっとひどかった。

男子トイレに閉じ込められ、誰も見ていないところで服をぬがされ、

知らない男子が入ってくると、そこには裸の蘭がいたという状態。

天音達はおもしろがって、もっとやってきた。

はやく終わらないかな・・・


〔10月4日〕
今日もいじめはエスカレートするばかり。

スリッパがトイレの便器の中におしこめてあったり、

寛樹と別れないと、寛樹を殺す、などいってきた。

寛樹に手はだしてほしくない。

何で、私のことなのに、寛樹を巻き込むの・・・?

寛樹は関係ない!!