両想い片想い



「店長さん!!
バイトしてくれる人みつけました」



悠太君の袖を引っ張って早速店長さんに紹介しに行った。




「んー、分かった。採用」




スルメイカをかじり、近くに出来たケーキ屋さんのチラシを見ながら、店長さんはあっさりとそう言った。

まぁこんなもんだとは思ってたけど、せめて顔ぐらいみなさいよ.....
あなたの店でこれから働く人なんだから。




「え、俺採用?」



小声で悠太君が不思議そうに聞いて来た。

うん、気持ちはすごーくわかる。


名前も聞かない。
履歴書もいらない。
なんにもきかれない。
ましてや顔すら見ずに採用。


そんな店この世の中のどこに行ってもないだろう。




「こうゆう人だから...」


私はため息をつきながら脱力して言った。




「で、今日から働けるのか?」




初めて悠太君の顔を見て店長さんはそう言った。


.....やっぱ本気で採用なのね。




「あ、はい!
大丈夫や....です!!」

「じゃああとは雛森頼む」

「はい」



それだけ言ってまた店長さんはチラシに視線を戻した。

そんなに気になるものでもあったのかな??