◎ひなのside
黒崎君の口から語られることはまるでなにかの物語のようで、本当にそんな悲劇があるのだろうか.....
もし私がその物語の主人公なら、壊れている。
ううん、私でなくても壊れているだろう。
平気な人がいるはずない。
そうだ、まるで何かの物語のように聞こえるのは、黒崎君が何かの物語を話すように話しているから。
そうでもしないと話せない。
でも私は、不思議と後悔なんかしていなかった。
むしろ聞けてよかったとさえ思う。
「話してくれてありがとう」
今度は私の番だ。
私が今度は頑張る番。
一生懸命言うから。
だから聞いてね、黒崎君。
「私ね、黒崎君が好き」
だんだんと黒崎君の目が見開かれていくのが分かる。
そりゃそうだよね。
自分でも思うもん。
どんなタイミングだよって.....
でも、言うって決めてたから。
「答えは分かってる。
だけど、私は自分の気持ちをちゃんと伝えたかったの。
知っててほしいの、黒崎君を本当に好きな人がいるって事」
今は片想いでもいいの。
ずっと片想いでもいいの。
そりゃあいつか両想いになれたら素敵だけど。
でも、私は結構片想いも好きだったりする。
黒崎君の事を想ってキュンとしたりするの、結構好きなんだ。

