両想い片想い



中3の冬休み明け。

俺は見てしまった。
実愛が他の男と空き教室でキスしているところを。

しかもその男は俺と仲のいい友達だった。





学校は受験モードでピリピリとしていた。


俺も近くの有名な公立高校の受験に向けて勉強をしていた。

だから最近は実愛と一緒にいることも少なくなっていて、それが原因の一つでもあったのだと思う。




ああ、そっか。
また実愛が他の男といちゃついてんのを見せつけて俺に嫉妬させようとしたのか。

そう、思いたかった。


でも、俺に気づいた実愛はビックリした顔をしてからこういった。



「あ~あ、ばれちゃった。
蓮とはもうちょっと続くと思ってたのになぁ。
実際、最高記録だったのに」

「どういうことだよ、それ」

「実愛がほんとに蓮の事好きだとでも思ってたの?
止めてよね、気持ち悪い。
男なんてただの暇つぶしの道具。
いつまでその道具が持つか試して遊んでただけ」

「なんだよそれ?
嘘だろ実愛。嘘だと言えよ!!」

「蓮もただの道具の一つよ。
あ、でも楽しかったわよ。蓮の反応」



俺の事を好きだといった実愛は。
隣で笑ってた実愛は。

全部、全部、嘘だったのかよ!!

信じられなくて、もう訳が分からなくて。



そこからの記憶はない。

いつの間にか家に帰っていて、そして俺は引きこもりになっていた。


携帯にメールやら着信やらが来たがそれを無視して。
しまいには携帯を海に投げ捨て。

俺はすべての人間との関わりをなくしたかった。



もともと親とはあまり一緒に居なかったし、俺のすることに口出しをしなかった。

だから勝手に進路を変え、勝手に遠くの高校を受験することが出来た。


そして独り暮らしをすると言って家を出た。