バンッとものすごい勢いで開けたのは屋上の扉。
この前悠太君に教えてもらった素敵な場所。
なんとなく黒崎君はここにいそうな気がして、ほんとうになんとなく、なんとなくだったんだけど、本当に黒崎君はここに居た。
黒崎君はものすごい勢いで入ってきたことに驚いているのか、それとも入ってきた人物に驚いているのか、その両方に驚いているのか.....
手からパンを落としてしまうぐらい驚いていた。
「夜月君が心配してた」
「あ、あぁ、悪かった。
ごめん.....」
「うん、悪いね。
全部あんたが悪い」
「.....用それだけ??」
最初はあっけにとられていたが、少しあきれたように黒崎君は呟くようにぼそっと言った。
顔が見えなくてもわかる。
きっと今この人は、いつものバカにした表情で私を見ているに違いない。
「佐伯さん.....」
その言葉を言っただけで黒崎君の体はびくりと跳ね上がった。
「何があったの?」
「お前には関係ない」
やっぱり、言うと思った。
はぁ.....
と心の中でため息をつきながら、黒崎君の前まで行った。

