両想い片想い



新学年初日なんてあっと言う間に過ぎるもので、気づけばもう放課後。

皆友達と一緒に次々と教室から出ていく。
それを片目で見ながら自分も帰る準備をした。


「ひなの、あたしもそろそろ行くねっ」

「うん、じゃあね。バイバイ」

「バイバイ、バイバイ、バイバーイ!」


ものすごい笑顔で手をブンブン振りながら去っていく莉仔をさすがに苦笑いしながら見送った。

莉仔は現在バレー部に所属して、さらにレギュラーで大忙し。
莉仔が放つアタックは同性が見ても惚れてしまうほどかっこいい。
実際、バレンタインにもらうチョコの数はそこらの男子より断然多い。


そんな莉仔と別れ教室に戻ると、とうとう誰も居なくなっていた。
こうしてみると、教室がとても広く感じられる。


私も早くバイト行かなきゃな。
鞄を肩にかけ、教室から出ようとしてやっぱり止めた。

うん、やっぱり駄目だ。
見ぬふりをしても、やっぱり気になってしまう。


「黒板!」


どうしても黒板の汚れが気になる!

あー、もう!
どうして掃除当番はこんなにいい加減なの!?

黒板の掃除程楽しいものはないのに!!
私はマイ雑巾を持ってきて黒板を拭くほどこの掃除が好き。

綺麗になっていくのが目に見える.....
楽しくて楽しくてしょーがないんだけど、楽しいんだけど.....


やっぱ、届かない。
どーしても、上の方が


「と、どか、な、いー!」


ジャンプすれば届くけど、それでは綺麗度が微妙だ。

ふー。
しゃーない、イス持ってくるか.....

ちょっと屈辱だけど、イスの上に立って届かなかったところを拭く。


よし、これで完璧。
綺麗になった黒板を見て独りにんまりする。


今度こそ鞄を肩にかけて教室から出た。