両想い片想い



「ひなちゃん、気づいてへんかもやけど、今本当のひなちゃんで俺と話してたで?」

「ほんとだっ.....」


初めて男の人に向かって笑顔で言えた。
それも、作り笑いなんかじゃなくて、自然に出来た笑顔。

私今、普通に話せてる。
ちゃんと目を合わせて、普通に接してる。

少しずつ、本当に少しずつだけど、私は変わっていたのかもしれない。


「ゆっくりでいい.....
私、他の人にもこんな風に、自然に笑えたらいいな」

「ええんちゃう?ゆっくりで。
せやけどそうなったら困るなぁ。
ひなちゃんがモテモテになってまう」

「なにそれっ」


涙はいつの間にか止まっていた。
涙は消えて、今は笑顔だけが残っている。

まずはもっと会話をしてみよう。


最初は毒ばっかり吐いてしまうだろうけど、それでもあきらめずに.....

たくさんお話をしよう。
そうしたら、いつかは自然に話せるようになるかもしれない。

そう、こんな風に。
たくさん、たくさん.....


「あのね、悠太君って呼んでもいいかな?」

「呼び捨てでもええのに」

「む、無理っ!」

「なんでや?ええやん」

「は、恥ずかしから.....」

「そりゃしゃーないなっ!
悠太君でええわ」

「うんっ!!」