両想い片想い



「ここな、俺のお気に入りやねん。
風気持ちええやろ~」

「はぁ、まぁ.....」


確かに、頬を撫でる風はひんやりと冷たく、心地よかった。

屋上に来たのは初めてだ。


......って


「屋上って立ち入り禁止じゃなかった!?」

「まぁまぁ、かたいこといわんと」


いいのか?
勝手に入っていいものなのか?


「ひなちゃんはさ、なんや辛い過去とかしょっとんねんな?」

「は?何よいきなり.....」

「ん~、そんな感じしてん。
確かにひなちゃんはツンツンしてんねけど、なんかちゃう気がすんねん。
ほんとのひなちゃんやない感じ?
せやからなんかあったんやないかな思て」

「っな.....!?」


こいつ、誰から聞いた?

いや、でも莉仔が話すとは思えないし.....


「なんで...?」

「ん?せやから、勘や、勘。
俺意外にひなちゃんの事、よぉ見てんねんで」


こいつが
私のことをよく見てる?

いつもふざけた感じなのに...?


「ありえない」


そんなの分かるはずがない。

だって、私、男の子の前ではずっとあんなだし、怒ってる顔以外この人にも見せたことないし。

だからスノーマンなんてあだ名がついたわけだし。


「言ったやろ?俺ひなちゃんの事タイプやて。
ひなちゃんの事、本気で好きなんや。
せやからひなちゃんのことはなんでもわかんねん」


胸が少しドキッとした。

告白されたことは何度かある。
でも、こんな風に胸が高鳴ることはなかった。

きっとこれは、この人が、阿曽崎悠太が、まっすぐに本当の私を見て言った言葉だからだ。

この人は分かってる。
私の事を分かってくれてる。