とりあえず、めんどくさくなってきたので早足でその場から早急に立ち去った。
追いかけてこないだろうか?
と少し不安になって振り返ってみると、どうやらついきてはないみたいだ。
ふぅ、と胸をなでおろしてまたドカドカと廊下を歩いた。
「俺、ほんまに今の子タイプやわぁ」
「お前今の見なかったのか!?
ちょーこえ~!やめとけって!!」
「なんでや?
すぐ落とせる女の子より、ちょっと手ごたえある方がおもろいやん」
「いやいや、ちょっとどころじゃねーって、あれは」
私が去った後、そんな恐ろしい会話が繰り広げられているなんて、私には知る由もなかった。
「ひなの、ごめんね!
ほんとにごめんね!!」
教室に入ると、私より先に帰っていた莉仔が土下座する勢いで頭を下げてきた。
さすがにびっくりして急いで莉仔に頭を上げるように言った。
なんか今ので怒る気もうせちゃったよ。
なんていうか、莉仔らしいな。
何に対しても一生懸命で。
でもそれが時々、いやしょっちゅうちょっとずれてて。
全く、もう。
こんなに泣きそうな顔で全力で謝られちゃ、何も言えないよ。
「莉仔の気持ちは嬉しいの。
でも、いきなりだったから緊張しちゃって、つい逃げ出してしまったの。
だから莉仔もそんなに気にしなくていいよ」
「うぅ、ひなのぉ~」
よしよし、と莉仔の頭を撫でてあげた。
なんで私が莉仔を慰めてるんだろ?
すごく不思議だ。
「じゃあ、明日からは4人でお昼食べようね」
.....はい?
今なんて言いました??
「そうだよね、いきなりはビックリしちゃうよね。
だから、明日は心構えをして一緒に食べよう♪」
そう続けて言って満面の笑みを浮かべる莉仔を私は唖然として見た。
もしかして全部計算だったとか?
いや、そっちの方がまだいいか。
多分これを素でやってるんだから恐ろしい。
これでは断れないじゃないか!
莉仔の笑顔が眩しすぎて、無理とは言えない。
「う、うん」
おそるべし、莉仔スマイル。
NOと言わせぬその笑顔が私は憎いよ。
あぁ神様、明日のお昼はどうなるのでしょう?
.....って、その前に!
今日のお昼はどーなるのぉ!?
気づいた時には時すでに遅し。
ちょうど昼休み終了を知らせるチャイムが鳴った。

