◎ひなのside


ほんとに莉仔のやつ!
ありえない、ありえない、ありえない!!

ドスンドスンと地鳴りがしそうな勢いで廊下を歩く。

何故私がこんなに怒っているのかというと、それは数分前にさかのぼる。



「ひなの、今日からお昼は中庭で食べない?」

「え?いいけど.....」


何故か急に莉仔は中庭で昼食で食べようといいだしたのだ。
でも、深い意味はないと思ってた。

そう、思っていたのに.....


なんなんだ、この状況は?

中庭にはすでに誰かがいて、
私は『人がいるからやっぱりほかのとこで食べよう』としていると、莉仔はその先客にものすごい笑顔で手を振りながら、走って行った。

しばらくわけがわからないでいたけど、すぐに原因は分かった。

中庭に居た先客.....
それは夜月君と黒崎君だった。

バカだ、少し考えればわかっていただろうに。
急に中庭で食べようと言い出した時点で気づいていればよかった。


「せっかくだし、今日から一緒に食べることにしたの」


そう言って笑う莉仔の笑顔に私は悪意を感じるよ。
したの、じゃないですよ莉仔さん!


莉仔には悪いけど、まだ男の子と一緒にご飯なんてレベルが高すぎる!
未だに近くだとまともに話せないのに!!


「.....私、帰る」

「え、ひなの!?」


待ってよぉー!
と必死に叫ぶ莉仔を無視して、教室へと一直線で向かった。


そして現在に至るってわけ。

ほんとに、莉仔は余計なことしすぎなんだよ!
私には私のペースってもんがあるし。

私の事を気遣ってくれてるのは嬉しいけど、でも、まだご飯とかは.....
絶対緊張してなんも食べれなくなる!!