「おい、邪魔だ」
気づいたら、厨房に入る道を私はふさいでいた。
うわ、ほんと私ったらすごく邪魔....
って、もうちょっと言い方ってもんが.....
「あ、黒崎君!
ちょっと待って!!
ほんだりこってどんな子か知らない?」
「は?知らないから探してるんだろ?」
いや、それはまぁ、そうなんだけど.....
「そうじゃなくてね、なんか聞いてない?
りこちゃんのことについて!
なんでもいいから!!」
「は?なんでお前にそんなこと.....
「いいから、話して!!」
「確か、幼稚園の頃結婚を約束したとか」
黒崎君は私の勢いに負けて、ようやく教えてくれた。
幼稚園、結婚、約束
りっちゃん.....
「ねぇ、もしかして夜月君。
大阪に引っ越したんじゃない?」
「なんでお前それ知って.....」
やっぱり、そうだ。
夜月君が探してるほんだりこは
莉仔のことだよ。
「黒崎君、私ほんだりこって子知ってるよ」
「は!?ほんとか、それ?」
「うん、絶対そうだよ」
って、あれ.....?
私、今、普通にしゃべれてた??
黒崎君とそんなに離れてないのに、普通にしゃべれてる!
やった、やったよ、やったぁ!
「で、どこのどいつだ。教えろ」
「それが教えてもらう態度?
顔洗って出直せ」
Oh、やっぱだめだった.....
意識した途端これだ。
さっきは、必死だったからなぁ。
黒崎君の顔がみるみる歪んでいく。
ほんと、すんません。
「後でメールするー!!」
それだけ言ってその場から逃げ出した。
あぁ、もう!
私のばかぁ~!!

