あれは、あたしがまだ幼稚園に通ってた頃.....
「りっちゃーん!」
「どうしたの?うみ君??」
あたしには近所にすごく仲のいい子がいた。
名前はうみと君。
いつも一緒で、これからもずっと一緒だと思っていた。
「僕、りっちゃんが大好き!」
「私もうみ君が大好きだよ!」
大人からしてみればただの子供の戯言。
そんな風にしか思われないだろう。
でも、あたしたちは本気だった。
本気で好きだった。
それは幼稚園の卒園式が終わったあとだった。
「僕のね、お父さんが大阪に転勤するんだって」
突然うみ君はそんなことを言い出した。
幼いながらもあたしはそれがなにを意味するか分かってた。
大阪....
それはきっと遠くてなかなかいけないんだ。
「それでね、僕も一緒に大阪に行くんだ」
もう、今までみたいに毎日会えなくなる。
毎日どころか、当分会えないんだ。
「そっか、寂しくなるね」
込み上げてくる涙を必死にこらえてなんとか言えた言葉。
ほんとは行かないでって叫びたい。
でも、そんなこと言ったってうみ君が大阪に行くのは確定なんだって分かってる。
「僕、絶対りっちゃんを迎えに行くから!
僕のお嫁さんを、迎えに行くから!!」
「うみ君.....」
その言葉を聞いて、我慢していた涙は制御がきかなくなり、溢れだした。
うみ君もそんなあたしを見てわっと泣き出した。
「私、待ってる。
うみ君が迎えに来てくれるの、待ってる」

