◎蓮side
この空気の悪さに耐えれずに、俺は綾瀬を残し教室から出て行った。
俺だって嘘だと信じたい。
嘘だったらどんなにいいことか.....
俺が好きになる女は何故、いつも最低なやつばかりなのだろう。
綾は、綾こそは、俺の運命の相手だと思ってた。
なのに、あの黒板女だったなんて。
なんて真実はこんなにも残酷なんだ。
もう、忘れよう。
やっぱり俺は恋愛などすべきではないのかもしれない。
俺の女運の悪さは、どうやら最高らしい。
「おお、蓮!来た来た!!
おっせーぞ、お前」
中庭に行くと、まるで尻尾を振る犬のように待ち構えている海斗がいた。
『夜月海斗』(yoduki kaito)
こいつが俺の唯一の友達だ。
高校に入るのを機に大阪から引っ越してきたらしく、1年の時、たまたま委員が同じになったのをきっかけに親しくなったのだ。
それがまた変わった奴で、好きな女に会うためにわざわざ引っ越してきたらしい。
まぁ、年中フードとマスクで顔隠してる俺も人の事言えねーけど。
「りっちゃーん、どこいるのぉ?」
「はいはい」
「なんかどーでもよさそうな返事」
ムッと海斗がこちらをにらんでくるのを見て、
まぁ、ほんとにどーでもいいからしゃーないよなと心の中で言った。
1年間立って成果0。
こいつが探してるりっちゃんとやらは未だ見つからない。
それでもあきらめないコイツはすげーと思う。
いろいろと、な。
俺には何故ここまで女の事を信頼出来るのかよくわからない。
時々、俺にないものを持ってる海斗が羨ましく思える。
ないものねだりってやつだ。
「あ、そういえば同じクラスにりこってやついたぞ」
「あぁ、知ってる!今りこちゃん探し協力してもらってるもん」
そして、なんだかんだでりこちゃん探しを協力してる俺だった。

