両想い片想い



「着いた!!
すごい、大きい、ふわぁぁ!!」

「奇声発さなくていいから早くチェックインするぞ」

「もうちょっと余韻に浸らせてよ!」

「あぁ、はいはい。
分かったからとっとと行くぞ」




ここが私たちの泊まる旅館かぁ

とかさ、

これで私たちは泊まるんだよ

とかさ、なんかいろいろ入る前に思いたいじゃん!?


女心が分かってないんだから!!




ムッとしている私をよそに、テキパキと受付を済ませた黒崎君が、部屋の鍵を持って帰ってきた。



「とりあえず、部屋に荷物置きに行くぞ」




そう言うと私を一切気にせずにスタスタと歩き出した。



ちょっと待ってよ!と言う暇もなく、置いて行かれそうになり本日3度目の全力ダッシュをした。




やっとの思いで着いた部屋は、畳のいい香りがする、古きよき日本の旅館らしい部屋だった。

なんか、すごく落ち着く。


ふぅ、やっと一休み出来る.....



「おい、何やってるんだ。
早く行くぞ」

「.....へ?」


え、行くって、どこに!?


まだお昼の1時だし、温泉にはちょっと早いのでは?