「ただいま」
「何やってたんだよ。
次で降りるから準備しとけよ」
「分かってるわよ」
相変わらずの喧嘩腰の会話だけど、会話があるだけマシだと思う!
それに、黒崎君とのこの会話は、嫌いじゃない。
なんか、楽しいっていうか、黒崎君が本音で私と会話してくれてるようで嬉しいっていうか。
「おい、ニヤニヤしてると置いてくぞ」
いつの間にやら駅に着いたらしく、荷物を持った黒崎君がドアの前で待っていた。
急いで自分のバックを持つのをみて黒崎君は電車からひょいと降りた。
続いて私はもうダッシュでドタドタと降りる。
私が下りたと同時にプシューと音を立ててドアが閉まった。
あ、あぶなかったー。
ってか、もう少し余裕をもって声をかけてよ!
ドアが開いたらじゃなくてさ、開く前にかけてよ!!
「ほら、行くぞ。
バスの時間もぎりぎりなんだ」
「分かってるわよ」
でも、さりげなく私の重い旅行バックを持ってくれてて。
そういう不器用な優しさがやっぱり好きだなって。
私、この旅行でどれだけもっともっと黒崎君を好きになったらよいのでしょうか?

