両想い片想い



「ごめん、今は違うの!
ほんと、口が滑ったっていうか、なんていうか」



手をブンブン振りながら訂正はしたけど、黒崎君は相変わらずちょっと驚いた様子でこちらを見ている。

私が取り乱したのがそんなにおもしろかったのか、急に黒崎君はフッと優しく笑った。



「綾瀬ってさ、時々すげー積極的だよな」

「っな!?」

「いきなり告白してきて、実愛の時も。
あぁ、あとあの迷路のとかも」



ぷしゅ~と音が出てるんじゃないかってくらい、一気に私の顔は赤くなった。

た、確かに....


私って以外に大胆なのかな!?



「かと思えばなんかスルッとどこかに逃げてく」

「へ?」

「告白の時も答えはいいって言うし。
今だって否定して、すぐに逃げる。
俺に答えさせる暇なんか与えてくれない」



どういう.....意味なんだろう?


黒崎君の目がせつなげに揺れた。

私が逃げてる。


うん、確かに逃げてる。

だって怖いもん。
黒崎君には嫌われたくない。

ううん、自分が傷つくのが怖いんだ。



逃げてる....かぁ。



『逃げちゃだめだよ、ひなの!』

いつか莉仔に、そんな言葉を言われたような気がする。

逃げるなって。



自分が傷つくのを恐れてたらなんにも変らないよね。

せっかくの旅行!


私は変わらなくちゃ、一歩前に進まなきゃ!!