やばいやばいやばい!

完全に遅刻したぁー!!


どうしよう、今日は、今日は、今日は



「黒崎君と旅行に行く日なのに~!!」




遊園地で強制参加させられたイベントで、カップルでもない私たちが最強のカップルとなってしまい、その優勝賞品の旅行に行くことになった。

そして今日はその旅行に行く日。



朝7時に駅の前集合.....なんだけどもう時刻は7時。

遅刻が確定された今は、ただひたすらこれ以上遅れないように走るのみ!!



「うわ~!!」



土曜日の朝に、女の子が叫びながら走っているのは、通りがかりの人が見たら相当シュールだっただろう。








「遅い」



やっと駅に着いたとき、当然黒崎君は先に来ていて、ご立腹の様子だった。

時計は7時21分をさしていた。


あ、30分遅刻は免れた!


「よしっ!」

「おい、こら。
なにがよしだ、なにが」

「いいでしょ、30分以内の遅刻くらい」

「遅刻しといてその態度とはいい度胸だな」

「黒崎君の方こそ、男のくせに心が狭すぎるんじゃない?」

「はぁ!?
30分も遅刻してきた奴を待っててやったんだぞ?」

「そのくらい当たり前でしょ!?
ってか30分も遅れてない、21分よ」

「一緒だろ!」

「全然違うわよ!!」




そして、お互いを罵りながら駅の改札を抜ける光景は、もっとシュールだっただろう。