両想い片想い


◎蓮side


なんなんだこの状況は.....

そしてなんなんだこのやけに可愛い生物は.....


いつもあんなにムスッとしてる奴が、涙目で怖くない、怖くないと自分に言い聞かせている。

しかも、相当怖いのか、これでもかというくらい俺の腕を抱きしめてるせいで、綾瀬の意外にあるやわらかい部分が当たっている。


こいつはそれをちゃんと分かってるのか?

.....いや、今はそんなこと考える余裕もないのか。



ってか、綾瀬のせいでお化け屋敷が全然堪能できねー!!

おばけが出るたび
「いやぁー、でたぁ~!!」

と信じられないほどの大声で叫んぶものだから、逆にお化け役の方がビビってるし...


さっさとここから出るのが一番だな.....

そう思いながら目の前の扉を開けると、いきなりかなり怖い奴が飛び出してきた。


さすがの俺も少し驚いた.....



俺が驚いたぐらいだ。

かなり怖がりの綾瀬はというと、とうとう驚きすぎて床に座り込んでいた。


そして叫ぶ余裕もなかったのか、ほぼ放心状態だ。

大丈夫なのか?これ.....



「おい、綾瀬??」



さすがに心配になって、綾瀬の顔を覗き込みながら聞いた。



「腰、抜けちゃった.....」



力なく、涙目&上目づかいで綾瀬はそう言った。