両想い片想い



「ここにいる人は人間。
この建物は大工さんが作った傑作。
それをスタッフが頑張って飾りつけて。
衣装さんが頑張ってお化けの服作って。
メイクさんは頑張ってお化けメイクして。
だから全然おばけとかじゃなくて。
超大作なわけでむしろすごい技術で.....」

「おい、なにさっきから墓石抱きしめてぶつぶつ言ってんだよ」

「うぅ、怖いんだからしょーがないでしょ!」

「今の俺はお前の方がよっぽど怖いけどな」



入ってすぐの墓石をギュッと抱きしめ、目を硬くつぶって言い聞かせる。

でも、それでも怖くて怖くて、足が動かない。


作り物だってことは分かってる。

分かってるけど、怖いものは怖いんだよぉ。



「ほら、さっさと行くぞ」

「もう、無理ー!!」

「お前が意地張って怖くないとか言うからだろ。
自業自得だ。あきらめろ」

「分かってるよぉ。
でも、足動かないんだよぉ」



今すぐ入口に猛ダッシュで戻りたい。


もうプライドとかどーでもいい!

黒崎君にあきれられてもいい!!


この恐怖の館から一刻も早く脱出!!!