両想い片想い



なにごともなく時は流れ、気づけばもう放課後。

朝起きて想像する一日はすごく長いけど、いざ過ごしてみるとあっと言う間だったりする。


そして私は今日も黒板を綺麗にする。

早速黒板消しでざっと綺麗にしていく。
でもやっぱり上は.....

椅子、ですね。


しょうがなく椅子を取りに行こうとあきらめた瞬間、私の手に握られていたはずの黒板消しが誰かに抜き取られた。

な、なにごとっ!?
恐る恐る横を見ると、そこにはフードを被ってマスクをした、もう街中歩いたら絶対職務質問されちゃう勢いの格好の人がいた。

確か、黒崎君だ。
黒崎君はただ黙って私が届かなかったところを消していく。


しかし、一体黒崎君はいつから教室にいたんだろ?

確か私が黒板掃除し始める前は誰も教室に残ってなかったし。
忘れ物でも取りに来たのかな?
それとも私が気づいてなかっただけ?


.....って、そんなことはどーでもいいわっ!

お礼!お礼言わないと!!


「あ、あの.....!」


黒崎君が消し終わり、教室から出ようとしていたから私はあわてて呼び止めた。

そして呼び止めたもののお礼の言葉がなかなか出てこない。
『ありがとう』たった5文字の言葉なのにそれが言えない。

はぁー.....
どうしてこんなに緊張しちゃうんだろ?

相手はフードとマスクで顔はほとんど見えないのに。

そうよ、女だと思えばいいのよ!
この人は女、女、おんなー!!


「あ、あ、あ.....
あんた何様のつもり?
私は別に何も頼んでないんだけど?」










        やってしまった