◎ひなのside


「おっはよ~!ひなの」


いつものようにドアを開けたら朝の陽ざしよりも眩しい笑顔をした莉仔がいた。


「おはよう。あのね、莉仔!ちょっと愚痴ってもいいい!?」

「へ!?いいけど、ひなのが愚痴?めずらしいこともあるもんだね」


めずらしく私が興奮しているから莉仔が目をパチパチして戸惑っている。

でもでも、これが愚痴らずにやってられるかってもんですよ!
思い出しただけでもイライラする!!

なんなんだ、あの男は!


「まぁ、とりあえず学校行こう!
話は学校でたっぷり聞くからさ」

「うん、そうだね」



学校についてからすぐに私の愚痴大会は始まった。
それを莉仔は嫌な顔一つせずに聞いてくれた。

そして私は昨日会った事を全部話した。
それはもう莉仔に噛み付くような勢いで.....


「なーるほどね。それは災難だったわね!
でもさ、確かにいいきっかけじゃない?
店長さんの言うとおり少しは男の子になれなよ」

「それが簡単にできたら苦労しません」

「まぁ、焦らず、ゆっくり!
ちょっとずつでいいから!!」

「うん...頑張ってみる」


と、やる気0で返事をした。
絶対、あの男と仲良くなんてなれないよ。


「な~んか、やる気が感じられない!」


莉仔にジトーとみられる。
流石、よく分かっていらっしゃる。


「んで、カッコイイの?」


莉仔の言葉にあきれてため息を吐いた。


「全然カッコよくないです!」

「んじゃあ、すっごくかっこいいんだぁ」

「いや、だからカッコよくないって」

「ひなのの美的センスは0だから」


今、サラリとひどいことを言われたような気がする。
いや、まぁ、確かに美的センスには自信ないんだけど.....