「佐伯さんが黒崎君の事好きなのは本当だよ」
「意味わかんねー。
だって、あいつは、実愛は!!」
「うん、だから、ね。
ちゃんと佐伯さんの話を聞こう。
あの日の真実を。聞こう。
佐伯さん、話してくれるよね?」
わけがわからない。
なにが起こってるのか、脳が追い付かない。
あの日の真実?
俺が知らない真実??
どうゆうことなんだ?
「怖かったの.....
蓮がみあのこと忘れちゃうのが、怖かったの!!
突然転校が決まって、もう蓮とは簡単に会えない距離になる。
そう思ったら怖くて、怖くて。
他の女の子好きになっちゃうんじゃないかって、怖くて。
そんなことになるくらいならって.....
本当に、ごめんなさい!!」
ポロポロと涙を流しながら言う実愛の言葉は頭に直接流れ込んできた。
実愛は俺の事、嫌いなんかじゃなかった。
「だから、やり直そう、蓮」
実愛はまだ俺の事が好き。
あの日のことは嘘だった。
ならいいじゃないか、もう一度実愛とやり直そう。
でも、なんでなんだろう...
昔はあんなにもドキドキしていたのに、今はしない。
俺は実愛に好きだという感情がない。
きっと、一度植えつけられたものは簡単には抜けないのだろう。
心のそこで、この言葉も嘘ではないのか?
そう思ってしまう自分がいる。

