放課後、黒板を消しながら悠太君が来るのを待った。
今日はいつもより遅いな.....
話したいことがあるのに。
「ひなちゃん!!」
そんなことをおもっていた矢先に悠太君は現れた。
悠太君は何も言わずに私から雑巾付き黒板消しを取ると、残っている部分を綺麗に拭いていった。
「あの、ね。
話があるの」
「なんやなんや~。
んな真剣な顔して」
「私、やっぱりお弁当作れない」
「残念やなぁ。
まぁ、作るの大変そうやしな。
俺の方こそ無理言ってしもうて悪かったわ」
「そうじゃないの、そうじゃなくて。
私、好きな人、いるの.....」
恐る恐る顔を上げて悠太君の顔を見ると、そこにはやっぱり優しく微笑んでいる悠太君がいた。
「しっとるで?
そんなことぐらい、わかっとるで。
俺はひなちゃんがめっちゃ好きなんやから」
「ごめんなさい.....」
「あやまらんといてや、余計傷つくやん」
「ごめっ......あ、その。
ありがとう??」
「うん、せやな。
そっちの方が嬉しいわ」
そう言って悠太君は私の頭を優しく撫でてくれた。
『しっとるで?』
そう言った悠太君の顔は、どこかさびしげな笑顔で、無理をさせている。
そんな気持ちにさせられた。

