◎ひなのside


朝から鳴り響くうるさい目覚ましを止め、軽く伸びする。

カーテンを開けると窓から眩しい朝日が入ってきた。


朝だ。
とうとう今日のこの日の朝が来てしまった。

高校入学後から2度目の新学年の朝。
つまり今日から私は高校2年生になってしまった。

春休みというものはあっと言う間に過ぎ去り、また地獄の学校生活が始まるのだ。
そう思うと、一気に体が重くなった。


「はぁ.....」


独りため息をついてからようやく部屋の外に足を踏み出した。

誰もいない家に唯一私が朝食を作る音が鳴り響く。


母がいなくなってはや1年。
1年たった今でも時々思ってしまう。

もしも、父が浮気をしていなかったら.....


そんなこと考えたってもう過去には戻れない。
あの楽しかった日々にはもう戻れないことは分かってる。

でも、考えてしまう...


人間は後悔せずにはいられない。