魔王と妃

あくまで優しく――
発した言葉は優しさとかけ離れたもので

彼女を驚かせたのだろう

息をのんだのが分かった

星神に与えられた娘は基本的に魔王の正妃となり
魔王の愛をうけ幸せに暮らすのが通常だ

あくまで基本的に――




彼女が心配しているのもむりはない
なにせはたからみたら僕はエミを玩具のように扱っていた



抱きたいときに己の好きなように抱き



城から出さず

悪魔たちが集まる狂宴の際は見世物のように拷問にかけ
その涙を目的に泣かせたり




己のそのような行動から
自身の妾たちはエミの涙から発生する魔石や
己の快楽のため残虐にいたぶることも構わずおこなっていた

しかしだからといって己がエミを愛していないわけではない

誰よりも大切に思っているのも事実である

誰も信じないだろうが――