午前5時

夜が明け始めた。

闇に包まれた空は

青から白に変わり始めた。

街は明るくなっていく。

まだ閑散としている。

夏といっても少し涼しい。

6時30分。

めざましが閑散としてる

街を切り裂いた。

僕は意識を夢に残したまま

目覚まし時計に手を伸ばした。

「っ…もぅ」

俺はいつもこうなる。

眠いときと極度に腹へったときと

必要以上に暑いときは期限が悪い。

でも毎朝頑張れた。

理由は結愛、キミがいるからだよ。

僕には付き合って8年になる彼女がいる。

僕はいま17歳。

9歳のときに結愛と付き合い始めた。

結愛は家が近いだけあって

幼稚園からずっと一緒にいて

俺たちはなかがいい。

小学低学年のとき、心臓病にかかって

1年くらい一緒にいれなかった。

僕の病気が完治して学校に戻ったとき

結愛が1番最初に迎えてくれた。

「堅太おかえりっ!!」

って。

僕は情けなかった。

止めたくても涙が止まらなかった。

ただ結愛を抱きしめて

「ただいま…ありがとう」

としか言えなかった。