「食べていい?」

「はいっ」

「いただきますっ」

柏都くんお手製のプリンを

口一杯頬張った。

柏都くんはいつも

腕前をあげてる。

「一段と美味しくなってるわね」

「ありがとうございます」

「いつ練習してるの?」

「お嬢様がお休みに

なられている間です」

「私のために

そんなに頑張らなくていいのに」

「そう云う訳には行けません」

プリンを口に運ぶ手を止めずに

柏都くんを意地悪にからかうように

問いかける。

「どうして?」

「僕、元はこんなに

修行とか頑張れるような

強い人間ではありません。

だけど、僕には亜依お嬢様を

お守りしないか?という

執事としての声がかかったんです。

それから頑張れるように

なったのでございます」

「柏都くんありがとう」

「お嬢様?」

「ごめんね。嬉しくて

涙が出ちゃった。

そんなに大切に思ってもらってるって

思わなかったから。