少し待つと村川は車に乗り込んで来た。


行と同じように、自分の手を私の膝に乗せてきた。
反発する気もうせ車を出発させた。


『今晩ご飯行こう』


『なんで?』


『いいやん』


『無理』


『七時に迎えに行くから、色々準備出来るやろ』


『いや!いや!ご飯行くのに準備なんていらないし。行きませんから』


話は平行線だ。
もうすぐ会社と言う所まで帰って来たのに突然


『曲がって!遠回りして』

『どうしたんですか?』


慌ててウィンカーを左に出した。


村川の時間稼ぎだった。


すぐに軌道修正し会社に戻った。