村川はご機嫌だった。

私は通常彼をこんなに受け入れたりしないからだ。
いつも拒否されているのに、今日は自由だから。
自分の行く手を遮るものの防御が甘いのだ。


目的地に着く少し前

『帰り迎えに来て』


『えーー』


『なるべく自分で帰るけど』


『時間はどの位あとですか?手の空いたもので迎えに来ます。電話下さい』