あなたの声





琉都の背中が見えなくなるまで見送ると
あたしはすぐにお風呂に入って
琉都からの電話を待った。

お風呂から出てしばらくすると
さっき登録したばかりの電話番号がケータイに表示された。

「も、もしもし」

『あ、成美?』

「うん」

『今日はありがとな』

「ううん。こちらこそありがとう」

『楽しかったよ』

「あたしも」

『成美って一人っ子なの?』

「ううん、お姉ちゃんが一人いるよ」

『今日いなかったよな?』

「よく彼氏の家にお泊まりしてるから。帰って来ないこと多いんだ」

『へ~兄貴と同じ』

「あははっそっかぁ」

『名前何て言うの?』

「成美(ナミ)だよ」

『どうゆう字?』

「あたしと同じ字」

『まじで?(笑)』

「うん、あたしは願い事が叶うように美しく成長してほしいって意味で。お姉ちゃんは波のように美しく成長するようにって」

『へ~良い名前だな』

「そうかな...」

琉都に言われて素直に
嬉しかった

それからあたしたちは長い時間会話をして
電話を切った。