キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
みんな一斉に立ち出した。
「じゃあ明日からもう6時間だからな
はいじゃあさよーなら」
「「さよーならー」」
高校に入学して1日目が終わった。
「成美~帰ろ~」
「うん」
あたしは沙希と一緒に教室を出た。
昇降口で明花に会った。
「成美ばいばーい」
「ばいばーい」
明花は彼氏と一緒だった。
手を繋いでとても幸せそうな笑顔だった。
彼氏さんはあたしを見ると
ペコッと頭を下げ明花と一緒に
昇降口を出た。
「アイツってさ~」
いきなり沙希が口を開いた。
「ん?」
「澤田明花だよね」
「うん」
「やっぱり...」
沙希は険しい顔をしていた。
「なんで?」
「いや?でも成美。あの子には気を付けたほうがいいかも」
「え。なんで?」
「そのうちわかるよ」
沙希はそう言うと靴を履いて
スタスタと先に行ってしまった。
「ちょっ!待ってよ!」
あたしも急いで沙希を追いかけた。


