「…検査の結果ですが、癌ですね」




…え




今なんて言った?




「かなり進行しているので、回復の可能性は低いです。」





お医者さんがカルテとあたしの香りを見比べながら静かにいった。






あたしの隣に座る母さんはうつむいた。





あたしはというと、今目の前で何が起きているのかわからなくて、ただただ呆然としていた。





"ガンデスネ"




さっきお医者さんがそういったのが頭のなかでこだました。




あたしが…癌?




あたしは





あと少ししか生きられないってこと…―?