貴方の隣に生きたくて

岡崎くんは
落ち着かない様子で
椅子を探していた。

そんな岡崎くんを見ながら
乃叶は不安になり
そんな気持ちを紛らわす為に
未成年だったが、
迷いも無く、
目の前に置いてあった
ワインのようなお酒を
一気飲みした。

それでもまだ、
椅子を探しながら
岡崎くんは会場をうろうろ
歩き回っている。

それでもなかなか
椅子が見つからなかった。
それももちろん、
今日はいつもより出席者が
多いようで
椅子が目一杯使われていた。

だんだん酔いも回ってきて
その酔いを利用して乃叶は、
岡崎くんの手を握った。

岡崎くんは無言で
静かに振り返った。

「ねぇ?どして?
このソファ良いよ。」

そう言うと岡崎くんは
首を傾げた。
でも、まだ攻めてみた。

「だからぁ…」

乃叶はその場に立ち
岡崎くんの前に移動した。
岡崎くんの丁度正面になるように
ゆっくり場所を定めて
正面になったとき…

岡崎くんの目を
上目遣いで見つめながら
両手を握り、
「乃叶と一緒に
座ろ?ダメ?」
と言ってみた。