私は初めて嫉妬を知った。
どんな言葉よりも突き刺さる。
心に深く、重く。
傷付けられる。
私はそんな言葉を発する
最低な女を目の前に
呆然と立ち尽くした。

「っっ…」

私の大きな瞳からは
温かい水が流れて来た。
それに気付くと
自分自身に呆れた。
なんで、なんで…
私は、恋愛を知らない
うぶな女の子だったのに…
こんなに恋愛で
傷付くような思いなんて
しなくていいはずだったのに。

「…によ… なによ…」

私は、その後ずっと
柚納ちゃんに向かって
同じ言葉を繰り返した。
柚納ちゃんに意味が伝わるように。

「なんなのっっ?
あんた、まじで意味わかんない!
超ウザイしっっ!」

そういいながら
柚納ちゃんは
トイレを出て行った。

そして…
「ドンっっ」
私はその場へしゃがみ込んだ。
無言のまんま
静かに涙を流し続けた。
その間にも
どんどん時間は過ぎてゆく。
5分…15分…。
結局、それから30分近くは
涙を流し続けた。
私の涙腺が
限界を迎えるまで、泣いた。