貴方の隣に生きたくて

そして2人は
大きな門の前まで来た。

あたしが
とっても驚いて見つめていると
中から凄く綺麗なメイドさんが
出て来て

「ではお客様。
ようこそいらっしゃいました。
本日ご出席頂けたのは
三十名のお客様ですが…
誠に言い辛いのですが
女性の方が
お客様の他にお一人もいないのです。」

なんてびっくり仰天なことを
出逢ってそうそう言ったのだ。


あたしはゆっくり慶太くんの方を見た。

すると、慶太くんは
あたしの手を優しく握り

「大丈夫です。
僕がいますから。」

とかっこいい言葉を放った。

あたしは嬉しくて
もう岡崎くんのことなんて
早く忘れてしまえと
心から思った。

メイドさんと別れたあと、
「さっきはありがと。」
と言った。
すると、
「女1人が嫌なら早く言えよ?
乃叶はか弱いんだから。」
と、本当にあたしのことを
大切に思ってくれているんだと
改めて実感した。