そして
教室の中では重い空気が流れている。


緊張したような
張り詰めているなんとも言えない空気。


そんなところに
ヤケにハイテンションな人物が
早足で入って来る。
歳は20代後半ぐらいの若そうな人。
男の先生だった。


すると愛美から腕を突かれた。
愛美の方を見ると
何やら意味深な笑みを浮かべている。

あたしが
「何?」
と口パクで尋ねると愛美は小声で
「あの人あたしのタイプかも(笑)」
なんてのんきなことをいっている。


あんな風に他人をイケメンって思ったり
付き合いたいって思ったり
したことないから
イマイチそういうのが分からない。


いつもあたしは
告白されるけど
相手のことを好きって思えないから
結局はフってしまう。

相手の人は可哀想だけど
嫌いなのに付き合うなんて
中途半端なことはしたくないから。

そんなのは綺麗事かもしれないけどね。

人を好きになることが
怖いのかも知れない。

好きになる自分を
認めたくないんだと思う。