しばらく経った後
あたしから離れた。


嬉しかった。

初めて
こんなに男の子に触れた。

岡崎くんからは
ほのかに甘い香りがしていた。


でも
あたしの心の中に
何故か少しだけ
罪悪感があった。


「彼女じゃないのに…」

ホントは
そんなこときにしないで
堂々と抱きしめて貰いたい

でも…

あたしには
大きな負担になるから。


でも…

心の片隅に
離れたことを
後悔してる自分がいる。

「どうした?」

岡崎くんが
あたしの顔を覗き込みながら
心配そうな、
悲しそうな顔で言った。

あたしは

「糸くず…
取ってくれてありがと。」

と俯きながら言った。

あたしは
いても経っても居られなくて
この空気が気まず過ぎて
静かにその場を去った。