#乃叶サイド#

遠くの廊下に
岡崎くんが見えた。


1人で歩いていた。


その背中が寂しそうで
大声で名前を呼んだ。

名前を呼ぶと
岡崎くんはすぐに振り返った。


「乃叶?」

あたしが近づくと
小さな声で名前を呼んでくれた。

あたしが近くに行って頷くと
「どうしたんだよ?」
と尋ねた。


「なんか…
寂しそうだったから…
ごめんね?」

あたしが謝ると
別に、と言って歩いていった。

「岡崎くんも
体育休んだんだね‼」

そういうと
小さく頷きあたしに

「服に糸くずついてる。」

と言って
あたしの身体をグイっと
無理矢理引き寄せた。

「きゃっっ!」

あたしは
そのまま岡崎くんの胸に
飛び込んだ。

2人は
そのまましばらく抱き合ったままで…