高二の五月、春。 やっぱり世界は灰色で。 散った桜の花びらも。 雲一つない晴天も。 黒板に書かれた文字も。 なにもかもに、色なんてついてなかった。 この三年間、私は何のために生きているのだろう、と。 そればかりを考えていた。 他人を傷つけ、親友を死に追いやり、一人になって…それでもなお、私は生きている。 答えなんてないのかもしれないけれど、一つの結論に至った。 『罪滅ぼし』だ、と。