_____『この筆箱、3人でおそろいにせーへん?』 言い出したのは、レナだった。 可愛いクマがプリントされた筆箱。 ちょっと子供っぽいな、なんて思ったけど、つぶらな瞳で私を見つめるクマは、確かにとてつもなくかわいい。 結局、私と梓は、わざとらしく「しょうがないなあ」なんて笑ってレナのその提案に頷いた。 瞬間、ぱあって花が咲くみたいに目を輝かせるレナ。 『やった!!ウチ、これ一生大事にすっからな!うん、宝物やっ!』 彼女は筆箱を抱きしめて、少し恥ずかしそうに笑った。