涙をふいて制服を脱ぐ。 適当なワンピースをハンガーから剥ぎ取って着ると、シャワーを浴びるために部屋の扉を開けた。 「お前なんかと結婚した俺がバカだった!」 部屋から一歩踏み出した途端、階下から聞こえてきた怒鳴り声。 …この声…お父さん…? いつもの喧嘩。 普段の私ならそれで片付けて、このままお風呂へ向かっただろう。 でもさっきの声からは、その一言では片付けられないなにかが感じられた。 恐る恐る、階段を下る。 そこでまず見たものは、玄関の前に座りこむお母さんの姿だった。