「…なんで殺したんですか?」 「え…?」 「なんでレナの悪口、掲示板なんかに書いたんですか?」 油蝉の声が、うるさい。 室内にいたときとは違い、ダイレクトに鼓膜へと届くその合唱。 再び眩暈に襲われるような感覚に陥って、目を閉じた。 「私…レナに嫉妬してたの」 「嫉妬…」 「レナが、羨ましかった なんでも出来て、人気者の、レナが」 視界が消えると、夏の音がより鮮明に聞こえた。 「だから…最初は、ちょっとした気晴らしのつもりだった 別に平気だろう、って思ってた」